ARK とは何か¶
ARK(Archival Resource Key)は、こういう形の永続識別子である。
HTTP と DNS の上に直接建っている。 この一点が DOI や Handle との違いを生み、 以下のほとんどはそこから出てくる。
ARK は DOI や Handle と横並びではない¶
ここが誤解されやすいので、はっきり書いておく。
flowchart TB
subgraph H["Handle System(CNRI / DONA)"]
DOI["10.xxxx — DOI<br/><small>登録組織が名前空間を管理し、<br/>レコードは RA 側に置かれる</small>"]
HDL["20.500.xxxxx — CNRI Handle<br/><small>組織が購入する prefix</small>"]
end
ARK["ark:/99999/…<br/><small>HTTP と DNS の上に直接。下部構造を持たない。</small>"]
DOI は Handle の上に建っている。 doi.org は Handle のリゾルバであり、DOI は
Handle の 10.x 名前空間の名前である。ARK だけが別系統で、購入したり加入したり
誰かに運用してもらったりする土台を、下に持たない。
効いてくる違いは 3 つ¶
無償で、名前空間も無償。 NAAN は ARK Alliance から無償で交付される。支払う登録組織も、 維持する会員資格も無い。
誰も代わりに永続性を保証しない。 DOI では登録組織が約束の一部だが、ARK では 約束はあなたのもので、その中身も自分で述べる。だからこそ尋ねる手段が用意されている。
erc:
who: 山田太郎
what: あるデータセット
when: 2026
where: https://repo.example.ac.jp/records/1
policy: NP | NR, OP, CC | 2026 | https://example.org/policy
commitment-level: permanent-dynamic
何も名乗らない識別子より、何を名乗っているかが言える識別子のほうが価値がある。 ARK は、ロゴで匂わせるのではなく、主張を明示して検証可能にする。
何でも、どの粒度でも指せる。 データセット、写本の 1 ページ、実物の標本、概念。 オンラインである必要も、今も存在している必要もない——対象が失われても、リゾルバは 記述を返せる(FAIR A2)。
設計の軸になっている約束¶
ARK は NR(No Re-assignment、再割当てしない) を宣言する。一度配った名前が、 別のものを指すようになることはない。
この 1 つの約束のために、arkhe は:
- ARK にも名前空間にも削除を持たない、
retiredにした shoulder を元に戻さない、- 主キーの衝突を UPDATE に化けさせず必ず失敗させる、
- 統合・分割・離脱を跨いで解決し続ける。
それぞれを規律ではなくコードでどう守っているかは壊さないものに書いた。
用語¶
| NAAN | Name Assigning Authority Number。99999 の部分。組織に交付される |
| shoulder | NAAN の下位名前空間(/x9 など)。組織に委譲される単位 |
| blade | shoulder より後ろ。対象を識別する部分 |
| inflection | ? や ?? の接尾。対象へ行くのではなく、識別子について尋ねる |
| suffix passthrough | …/x9abc/page/3 は …/x9abc のレコードで解決される。子に識別子を振らなくてよい |
| NMA | Name Mapping Authority。その識別子を解決するとき、実際に答える主体 |